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琵琶湖発 人間探訪

WABARA Rose Farm KEIJI 國枝 健一さんを訪ねて

WABARA Rose Farm KEIJI 國枝 健一さんを訪ねて
國枝 健一さん
 大きく広がる空、土や緑の匂い、流れる風と雲。
湖岸近くの自然豊かな地に、いま世界からも注目されているわばらの農園『Rose Farm KEIJI』があります。
「生きたばらをつくる。」がコンセプトのわばらの魅力とは何か。
新しいバラ園のあり方を模索し続ける國枝健一さんに伺ってきました。



WABARA/Rose Farm KEIJI

〒524-0062 滋賀県守山市杉江町1465
TEL:077-585-1133 FAX:077-585-1134
https://rosefarm-keiji.net/ 

自然に近い環境で育てられる
繊細で力強い唯一無二のバラ


ばら作家の國枝啓司さん
  守山でバラ園を始めたのは祖父です。その後、父が2003年に独立して『ローズファームケイジ』を設園。ほどなくして私も加わり、現在は父がばら作家として、私がプロデューサーとして二人三脚で歩んでいます。わばらとは、父・國枝啓司が手がけるオリジナル品種のバラのこと。通常、バラを含めて生花の生産は流通や消費者のニーズに合わせて過剰な操作が加えられていますが、わばらはバラそのものと土や自然環境に委ねることによって生み出されます。もちろん生産効率は悪いですよ。しかし自然の摂理に沿って育てると、花に対する茎や葉の比率がとても美しいバラになるんです。花弁も柔らかく、色や香りも個性的で優しい。花はそれを見て楽しむことで満足感を得るものですから、そういったディティールの繊細さが最も重要なのではないかと思っています。


 

繊細で優しいイメージのわばら
 もともと父はバラ園で生産に従事しながら、細々と育種家としての活動も行っていました。一方、私は2年のドイツ留学と一般企業への就職を経て、20代半ばで起業を考え始めました。その時着目したのが、子どもの頃から慣れ親しんでいた父のバラでした。ただ単に栽培して出荷して終わりではなく、背景にあるストーリーや想いをちゃんと伝えれば、一般のお客様ともダイレクトにつながって喜んでもらえるはずだと確信したんです。
 

花の持つ〝ゆらぎ〞を感じ
心をほどくきっかけに


海外でも人気の葵シリーズ「葵~七~」
 私が入ってまず着手したのは、今までの水耕栽培から土耕栽培への移行です。というのも、バラについて勉強するために各地の展示会などへ参加した際、自分がいいなと思ったものがすべて土耕栽培のバラだったからです。養分を与え過ぎず、適度なストレスのなかで育てたバラには〝ゆらぎ〞があり、何か心に感じるものがある。そんな生命力の強さを求めて栽培方法を一から見直し、8 年ほどかけて土づくりを行ってきました。


 また2014年から海外への輸出もスタート。私は以前から「海外と関わる仕事がしたい」と思っており、父も「世界中のお花屋さんに並ぶオリジナルのバラをつくりたい」という夢がありました。そこにちょうどコロンビアでわばらを栽培したいという方がいらっしゃったのがきっかけとなり、切り花栽培のテストを始めることにしたんです。現在はコロンビアをはじめ、ケニア、アメリカ、イギリス、オランダ、メキシコなどの農園と提携。まずうちのバラ農園に来ていただいて、私たちの信条を理解してもらってから苗をお渡しするようにしています。

 

約60品種を栽培されているビニールハウス

 そして一般のお客様には〝花のある暮らし〞を提案したいと、2016年にカフェをオープンしました。お花って意外と最初のハードルが高く、お花好きな方はよく飾られますが、されない方は0に近いでしょう。そこで、カフェでドリンクを頼めば1本バラが付いてくるようにすれば、自宅にお花を飾る経験値が上がるんじゃないかと。お花をいいなと思う気持ちは季節の草花をキレイだと感じるゆとりにつながったり、自分自身に立ち返ったりするきっかけになるかもしれませんよね。
 

バラの香りに包まれる
守山をわばらの一大産地へ

 祖父から父、私へと守山で50年以上続けてきたバラづくり。今後は私たちがこの土地に何ができるのかを考えていきたいと思っています。2017年に農場をこちらへ移転した際も、国内外の方が来られた時に印象に残る景色であることが決め手でした。現在、バラといえばヨーロッパが中心とされていますが、わばらといえば日本の滋賀の守山となるような、世界的な一大生産地にしていきたい。春の満開の季節に、守山駅を降りたら一面バラの香りがするなんて素敵じゃないですか。

 

ONLINE STOREにて注文可能
 そのために今はわばらの加工事業にも力を入れています。ブルガリアでは化粧水やヘアケアなどに使われるローズウォーターが愛されていますが、私たちが手がけるのはバラの細胞の水のみを抽出したローズセルウォーター。美容や医療の分野で幅広く利用してもらえるよう、多彩なバリエーションで展開していけたらと思っています。また地域の子どもたちにお花に触れてもらう機会として、花育プログラムを実施。小学校や中学校に教材のひとつとしてわばらを提供したり、農園へ職場見学に来てもらったりという取り組みも行っています。

 お花を愛でることが生活の一部になると、気持ちや言葉遣いまで変わってくると思います。「滋賀はお花を愛する豊かなところ」と言われるように、皆さんにもぜひお花の魅力を知ってもらえたら嬉しいです。



※記事の内容は取材時点での情報となります。あらかじめご了承ください。
(2019年3月取材)

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