|
|||||
|
|
はじまりは、滋賀の森に抱いた危機感
kikitoの前身は2007年、森林組合や森林所有者さん、工務店、行政などのメンバーが始めた勉強会です。
当時の木材国内自給率は20%前後とかなり低く、
安い輸入材の影響で国産材の利用が低迷していました。
滋賀も森林に関わる人が減り続けて山林地域は衰えてゆくばかりで、
何とかしなくちゃと関係者が集まったんです。 森の守り手、商品の買い手に思いを馳せ、つなぐ役割を
最初の取組みは、地域材の高価買取でした。森林所有者さんは長年世話した木に愛着と誇りがあるのに、
現在の市場価格で売ると赤字になってしまう。だから市場に出さず、
地元の木で家を建てたい人に応えられない状況だったんですね。
そこでkikitoが原木を高値で買取りストックし、製材して工務店さんに販売しはじめました。 さまざまな可能性を秘めた森林を、次世代へ
kikitoは今春、総務省の「平成27年度ふるさとづくり大賞」
で団体表彰(総務大臣賞)を受賞しました。これはふるさとをよりよくしようと頑張る団体・個人に贈られるもの。
今後の励みになります。
皆さんにもぼんやりでいいので、森林があることの大切さを理解していただきたい。 興味がわいたなら今年はキャンプに行ってみようとか、国産材を使っている商品を買おうかとか、 そういう意識を持ってもらえるとうれしいです。僕自身は多賀町で生まれ育ち、遊び場は山でした。 若い頃は山仕事はしんどいからと全然違う仕事をしていたけれど、 17年前に森林に関わる職に就き、森は生きとし生けるものの生命維持装置だとわかった。 それで自分にできることは何かないかなとkikitoに参加したんです。 森林は木材生産だけでなく観光やサービス、いろいろな利用の仕方があり、 ビジネスチャンスが隠れています。それをうまく活かし、 最終的には人が山に入って森林整備につながるシステムを作れたらと考えています。 さらには山林地域できちんと生計を立てることができるようになり、 若い人たちが残って地域が活性化するところまで持っていければ本望ですね。 (2016年8月取材)
|
|
|
|