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互いの違いを思いやるボートは究極の団体競技
障がい者ボート競技、パラローイングは1000mの直線コースで速さを競います。
種目は1人乗り、2人乗り、そして漕ぎ手4名と舵を取るコックス1名で組むフォアの3種。
フォアの場合、漕ぎ手は前後に動くシートに座った状態で足先を固定し、
スクワットのように膝を屈伸させ、その力を利用してオールで水を押し、
船を進めてゆきます。腕力勝負と思われがちですが、脚も体幹も使う全身運動なんですね。
1人乗り、2人乗りはシートが固定されていて、車いす利用者などが選手になります。
いずれの種目もパラリンピックの公式競技です。 強い想いが現実に、一歩踏み出すことで集まった仲間
僕がパラローイングに関わるきっかけは娘の存在にあります。
彼女は生まれつき脚に不自由があり、小学、中学となかなかスポーツを楽しめる機会が少なかった。
その姿を見てきて、親の自分が何かできないかと考え始めました。 障がいのある人もない人も一緒にスポーツを楽しめる社会に
現在びわろーのメンバーは選手12名を含む25名に。
各々普段は自主トレを、月2回は琵琶湖・瀬田川に集まり乗艇練習をします。
レースにも出場して悔しさ、楽しさを味わい、体型も顔つきも変わってきましたね。
この春には4選手が日本代表となり、イタリアで開かれたリオパラリンピック最終予選に出場しました。
予選通過はできなかったけれど、すごい経験をしたと思います。
僕は監督として選手たちに、できることは全部自分でやるよう言っています。 サポートしてもらうのが当たり前、とは思ってほしくないんですよ。 今年はボート体験やクイズラリーなどを行う「びわろー祭」の企画を彼らに任せました。 どうすれば活動を広く知ってもらえるか、仲間や資金を集められるか、 自主的に考えて動いてほしい。 びわろーは障がい者が真ん中で活躍できる場所ですから。 今後の目標は2020年の東京パラリンピック出場、 そして行政を巻き込んで地域の子どもやお年寄りにボートを教える場をつくり、 選手たちがスポーツインストラクターになること。 さらには、障がいの有無に関わらず一緒にスポーツを楽しめる場所を日本中に増やせればと考えています。障がい者スポーツに取り組まれている他団体とも協力し合って、全国に展開させていきたいですね。 (2016年6月取材)
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