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小林 巧さん

奥居 匡さん
切り絵作家 奥居 匡さんを訪ねて
今回は滋賀県の自然や景観の美しさを切り絵で伝えておられる、切り絵作家の奥居匡さんにその魅力や自然の大切さについてお話を伺いました。

限りある自然の大切さを語りながら
作品をつくる感動を伝えていきたい
【お問い合わせ先】
奥居 匡さん
住  所 :〒527-0172 滋賀県東近江市鯰江町1221
電  話 :0749-46-0360
e-mail ta-da@biwako.ne.jp
blog 切りぬいた空のむこう

切り絵を始められたきっかけと切り絵の特徴について教えてください。

私が切り絵を始めたのは大学2回生の時です。当時在籍していた大学の友人に誘われ、自費出版で絵本を制作したことが切り絵を始めるきっかけとなりました。当初は切り絵ではなくボールペンを使って絵を描いていました。しかし、ある日作品づくりのネタを探している時に、偶然切り絵作家の東君平(ひがしくんぺい)氏の作品に出会ったことから切り絵の魅力に引き込まれました。大学では美術の勉強をしていたわけでもなく、身近に教えてくれる人もいなかったことから独学で切り絵を学ぶことにしました。独学にも関わらず、初めて制作した切り絵の作品は周囲からの評判も良かったため、本格的に切り絵作家としての道を歩むことにしました。
切り絵は、様々な種類の紙をデザインナイフやカッターナイフで切り抜き、その後ろに色や柄の違う背景を重ねて貼り付けていきます。切った紙のラインやその質感は筆などで描く絵と違い、独特の雰囲気をかもし出します。また、フリーハンドで紙を切るため、やわらかな曲線が作れることも魅力の一つだと考えています。しかしその反面、紙の色やラインがそのまま出てしまうため、絵画のようにぼやかすということができない大変さもあります。完成した作品はとても色鮮やかで、何枚も紙を重ねることにより作品を立体的に見せることができます。現在では、大小合わせて年間1000点以上の作品をつくっています。

photo photo photo
作品の題材にはどのようなものを選ばれているのですか。また、その理由を教えてください。

私が作品をつくる際は、できるだけ近くにあるものを形にしたいという思いから普段見る風景や、身近にある自然を題材に作品を制作しています。また、生まれ育った滋賀県の自然や景色を作品にすることによって、県内・県外に関わらず世界中の人に滋賀県の美しさを知ってもらいたいと考えています。私のつくる作品にはそれぞれストーリーがあり、それらを繋げて切り絵の絵本も制作しています。作品づくりのために風景などを見に行くこともありますが、見たままの風景が作品となるわけではありません。風景を見て感じた気持ちを頭の中でイメージし、そのイメージを作品の中に表現しています。しかし、最近では昔見た風景などが開発により徐々に少なくなっているということに寂しさを感じています。現在では滋賀県の美しさを伝えると共に大切な自然を守る必要性を作品に込めてつくっています。

photo つぎの春も
またそのつぎも
おなじ季節におなじところで
また会える幸せ・・・
photo ゆさゆさと
木の葉の間を通りぬけた風が
のんびりと歌う
お昼過ぎ
現在の活動について教えてください。
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現在は年に数回、全国で作品の展覧会を開催しています。展覧会ではできるだけ多くの人との関わりを持ちたいと考えています。また、クラフトイベントや市の博物館などに招かれた際には切り絵体験教室も開いています。切り絵体験教室では子供だけでなく大人の方にも体験してもらい、切り絵の楽しさを感じてもらっています。最近では、カッターナイフを使ったことがない子供達もおり、紙を切って絵にすることがとても新鮮なようです。同じ題材でも子供たちの作品には一人ひとりの個性が出て、とてもおもしろい作品になります。今後もこのような体験教室を通じて、多くの方に切り絵の楽しさを伝えていければと考えています。

今後の目標について教えてください。
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奥居さんが出版された本

今後の目標は、たくさんの人に感動を与えられるような切り絵の作品をこれからも継続してつくり続けていきたいと考えています。また、それらの作品を通じて、滋賀県の魅力や自然の大切さを多くの方に知ってもらいたいと考えています。
しかし、残念ながら開発などによって身近な自然や滋賀の美しい風景が失われつつあるのも現実です。体験教室で出会う子供達の中には、そんな美しい風景を知らない子供がたくさんいます。だからこそ体験教室で出会った子供達には、限りある自然の大切さを語りながら作品をつくる感動を伝えていきたいと考えています。

(2007年11月取材)
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