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岡村理津子さん
株式会社オーミマリン 岡村理津子さんを訪ねて
今回は、琵琶湖で女性船長を目指し、『観光船オーミマリン』で活躍されている岡村理津子さんに竹生島でお話を伺いました。当日は船上での取材となりましたが、波も無く、穏やかな湖面で、船の揺れも少なかったように思います。実際に船長室で操縦する岡村さんの姿は、自信と勇敢さに満ちていました。

株式会社オーミマリン 【お問い合わせ先】

住  所 :〒522-0002 滋賀県彦根市松原町3755
T E L :(0749)22−0619
F A X :(0749)24−7999
U R L http://www.ohmitetudo.co.jp/marine/

船に興味を持たれたきっかけを教えて下さい。
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私は、高校生まで長野県で育ちました。海の無い町だったのですが、船乗りを目指していた祖父の影響で、子供の頃から家族で乗船の機会が多くありました。中学生までは、水面を自由に進行する船に憧れ、船長というより船上で仕事がしたいという夢を持っていました。その後、高校生の時に船を操縦する船長になりたいと思い、国立波方海上技術短期大学に入学しました。ここでは専門的な技術や知識を学び、船への基本的な知識を身に付けました。卒業後は船への憧れから、博多と韓国の釜山をつなぐ連絡船で販売の仕事をしていました。販売の仕事をする中で、操縦することへの夢は益々膨らんでいました。そのとき、親友から琵琶湖の観光船「オーミマリン」の操縦士募集を聞き、現在の会社に就職しました。
船長となるためにはどのようなことが必要ですか。
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もう少しで竹生島に到着です。
船での操作は舵で行います。水上は、整備されたアスファルトと異なり、急な進路変更はできません。また、風の向きや波の大きさなど、自然環境によって常に操作に対する対応が変わります。そのため、多様な経験を踏まえた冷静かつ正確な判断力が必要となります。

学校を優秀な成績で卒業したとしても、経験までを学ぶことはできません。特に、着岸には多くの知識と経験が必要になります。着岸するためには、岸に設置してある着岸用のゴム(防舷材)に船体を接触させる必要があります。このとき、微妙な速度のコントロールと、絶妙な船体コントロールが要求されます。船には自動車にあるサスペンションが存在しません。揺れを吸収するバネが全く無いのです。つまり、少しの加減速が敏感に船体の動きに現れ、お客様の乗り心地に影響を与えてしまいます。また、船に「ブレーキ」は無く、最悪の場合コンクリートに激突ということも充分に考えられます。着岸については、ただいま訓練中です。重要な責任を負っていますので、日々の訓練では常に緊張して操作をしています。
今までの中で、一番難しいと感じたのはどのようなことですか。
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今まで一度しか経験したことがありませんが、夜の航行が一番難しいと感じます。船には様々なライトが設置されており、そのライトは他の船に進行方向や存在を伝える目印となっています。他の船はその光から船体の動きを把握し、事故にならないように注意しています。そのため、余計な灯りは危険に繋がってしまうため、夜の航行では基本的に車のような前方を照らすライトは使わず、わずかに輝く街の灯りとレーダーを頼りに操縦を行います。大変難しい操作ですが、早く一人前になり自信を持って操縦できるようになりたいです。
では、今までで一番嬉しかったことを教えて下さい。
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西尾船長に指導を受け船を操縦する岡村さん
お客様や上司から操縦に対して褒められたときです。まだまだ経験不足で、私には自信の根幹がありません。夢に向かって突き進む自信はありますが、技術面での自信はまだないので、操縦について褒められると自信が湧いてきます。経験は焦っても手に入りません。今後も努力と経験を積み重ねていく中で、自信を身に付けていきたいと思います。

また、同郷の方がお客様として乗船いただいた時に嬉しく感じます。故郷には長い間帰省していません。同じ長野県出身の方とお話ができると、懐かしく感じ、気持ちが落ち着きます。
海と湖(琵琶湖)の違いはどんなところですか。
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アナウンスでお客様に乗船案内
琵琶湖を進行する船に乗って一番に感じたことは、海との水面変化の違いです。琵琶湖では、風が吹けば水面は荒れ、収まれば水面は安定します。海でも風の影響は受けますが、琵琶湖ほどダイレクトに左右されません。この点が湖面と海面の大きな違いですね。琵琶湖は、風の影響が素直に湖面に反映されるからこそ、湖面状況を予測しやすいと言えます。しかし、急激な変化に対して敏感に反応してしまうため、航行中は気が抜けません。
琵琶湖のどんなところに興味がありますか。
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乗船されるお客様と言葉を交わす岡村さん
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琵琶湖の歴史です。以前、琵琶湖の歴史について調べたことがありますが、奥深いですね。色々な歴史があって、今の琵琶湖があると思います。沖島で生活している方がおられるのには驚きました。そういう方にとっては、琵琶湖が生活の糧となるのでしょうね。休日には、歴史の感じられるお城や神社を観光しています。
琵琶湖で叶えたい夢について教えて下さい。
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夢を持つということは難しいことですね。自分のいる環境や周囲にいる人間に左右される部分も多少はあるのではないでしょうか。私の周りには、船に乗って活躍したいという夢を持った友人が多数います。その中で、船に乗りたくても乗れない友人もいます。その友人達の夢も含め、いつかは船長として自由に船を操縦したいと考えています。そのためには基本からしっかりと学び、様々な経験を積み重ねていくことにより、船長として必要な基礎作りと知識を習得することが、今の私にとって重要なことだと考えています。

琵琶湖には琵琶湖のルールがあり、そのルールを守りながら船を操縦しないと重大な事故に繋がり兼ねません。私が私自身の夢を叶えるということは、大勢のお客様の命をお預りするということです。一つの操縦ミスや判断ミスは、湖上では命取りです。その責任と重要性を理解しながら、自分の夢に向かって進んでいきます。
(2004年11月取材)
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