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企業メッセージ 「一人ひとりの生活感覚を大切にした活動で、社会とともに歩む」

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山本利幸さん
「朽木針畑山人協会」事務局長 山本利幸さんを訪ねて
滋賀県唯一の村、朽木村。朽木村には街の生活とは異なる生活、街では目にすることの出来ない風景が多数あります。今回は朽木村針畑地区での生活に密着し、地元住民の方と協力しながら、素晴らしい故郷づくりを目指されている「朽木針畑山人協会」事務局長の山本利幸さんを訪ねました。

朽木針畑山人協会 【お問い合わせ先】

住  所:滋賀県高島郡朽木中牧528
T E L:(0740)38−9088
F A X:(0740)38−9038
U R Lhttp://www.ex.biwa.ne.jp/~yamabito/

「朽木針畑山人協会」を立ち上げられたきっかけをお聞かせ下さい。
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雲海の下の針畑郷
以前、私は京都で会社員をしていました。会社員としての生活を送りながら、将来ログハウスを建ててみたい、また山の仕事にも携わってみたいという夢があり、この朽木村で生活をすることにしました。朽木村に来た当初は森林組合に入り、山林の整備を村の人達と行っていました。当初は朽木村の中でも賑わいのある地域で生活をしていたのですが、より自然の豊かな環境での生活を望み、たまたま村営住宅にも空きがあったことから針畑地区での生活を始めるようになりました。

私が生活を始めたころ針畑地区にも地域消防団があったのですが、団員のみなさんは非常に高齢で、最若手でも60歳代という状況でした。そのため実際体が良く動くのは、私のような入人(他の地域から村に入ってきた人)ばかりでした。消防団の団長もこの状況に危機感を持っていたこともあり、体の動く私達に何とかならないだろうかと相談を持ちかけられました。針畑地区には夜警があり、その活動の後に地元の方と入人でお酒を飲む機会がありました。そこで、お年寄りができることと私達のできることとを合わせて何か取り組みができないかを考えました。また、手助けではなく自分たち入人も含めて、これからも生活していく針畑地域をどうすればいいのか、どうしていくべきなのかを考え2001年春に「朽木針畑山人協会」を設立しました。
「朽木針畑山人協会」の活動内容やねらいについてお聞かせ下さい。
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コモンバの滝で看板を建てる
主な活動は、古道の整備や荒廃田の復元整備、文化の掘り起こし、村人の憩いの場である『清水』(ブナの森の湧き水が出る場所)の整備、四季ごとの新しい『祭』の開催、ホームページによる針畑の宣伝などです。現在10人ほどのメンバーが中心となって活動しています。

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崩れた古道を街からのボランティアとともに整備
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古道整備・流れた橋を架け直す
活動のねらいとしては、琵琶湖の源流の山里に生きる私たちと下流に生活される都市住民の方々との間に、相互扶助の精神に基づく現代の「結い」(ゆい)を創造したいというものです。かつての日本の社会、特に山村では田植えや家の修繕時には隣近所が助け合う「結い」と呼ばれる精神がありました。針畑郷も他の山村同様「結い」の精神が残る地域であり、私たちは琵琶湖源流の地に生きる者として、清冽な水と綺麗な空気を恵んでくれる森林などの環境を守る責任があると考えています。例えば上流の私たちがこの責任を果たさなければ、下流域で生活される方々の必要な水資源の元を汚染してしまい、多大な迷惑をかけてしまうことになるのです。一方、下流域の方々にはできるだけ多く針畑郷に足を運んでいただき針畑郷の魅力を感じ取っていただきたいと願っています。ただ、針畑郷を観光地とするつもりはありません。私たちが望むことは、多くの方にこの地を知ってもらうだけでなく、この地での恵まれた自然環境、伝統的な文化、そして昔からの知恵が生かされている生活を知っていただきたいということなのです。過疎化した針畑郷の様子を見つめるだけではなく、そこで生活している人の観点から村を見て欲しいと願っています。
活動を通して考えておられることはありますか。
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拠点施設となる針畑郷山村都市交流館 山帰来(さんきらい)
これからの季節、登山コースでも人気のある針畑の山開きのイベント等を企画すると村のお年寄りはことあるごとに訪れる方々が満足して帰っていただけるようにと考えます。しかし、私達は過剰なサービス等は必要無いと考えています。朽木の山奥にある針畑郷まで足を運んでいただいたことに対して感謝する気持ちと同時に、本当の針畑郷での生活を実感していただきたいと考えているからです。私達はお越しいただいた方々にできるだけリアルな情報を伝えたいと考えているのです。
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朽木村の木を利用して作られています
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交流館の電気は小型風車3基による風力発電の他、太陽光発電を利用されています
私たちの本当のねらいは、多くの針畑郷を理解して下さる方に訪れていただくことと、将来的に朽木針畑で生活をする方を増やすことにあるのです。そして、このような不便な山奥でも、普通に生活していけるのだという証明をしていきたいと考えています。

活動を始めて以来、私たちの企画・活動について多くの方が興味を示されます。その理由は活動方法が他の地域で行われているものと違う点にあります。他の地域の活動でよく見かけるのは、活動自体は過疎化した地域で行われるのですが活動の組織は街にあるといったパターンです。私たちの活動は組織も活動のフィールドも針畑にあるのです。地元の住民が先立って町を抱き込んで活動しているのです。
今後の夢、目標についてお聞かせ下さい。
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生杉・ダイバタの清水(しょうず)
最近では協会のホームページを見て、入会を希望される方が増えてきています。新しく入会いただく方にも協会のねらいを正確に理解いただけることを願っています。私たちの活動や活動主旨を多くの方に知っていただくための広報活動(ホームページの更新など)を充実させていくことが今後の課題です。

やはり村を出て行った人たちが、一人でも多く帰ってくるような魅力ある針畑にしていくことです。そのためにも「針畑山人協会」として、高齢化と過疎に悩む針畑住民が都市環境の中で生活する方達と共に手をとりあって、次世代の子供達に文化や伝統、自然の大切さを伝えていくことに継続的に取り組んでいきたいと考えています。そして、この活動が日本全国で過疎化に悩む山村の励みにつながれば、これほどうれしいことはありません。
(2004年2月取材)
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