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琵琶湖発人間探訪

三浦 美香さん
三浦 美香さん
比良里山クラブ
三浦 美香さんを訪ねて

今回は大津市南比良で里山保全活動をされている「一般社団法人 比良里山クラブ」の代表理事三浦美香さんにお話を伺いました。

一般社団法人 比良里山クラブ
住所 :滋賀県大津市横木2-25-12
電話&FAX :077-527-2833
ホームページ  http://hira-satoyama.net

美しい比良の姿を今の子どもたちにも知ってもらいたい
活動の拠点となった「天籟宮」は八幡掘りに面しています
▲子どもから80歳のおばあちゃんまでボランティアとして参加されています

 私は大津市南比良で生まれ育ちました。小学生の頃には、森の小川を泳ぐ産卵前のビワマスが、 緋鯉のように赤く色付く姿に感動したものです。しかし、ビワマスが産卵のために遡上できていた自然のままの川は、 今はコンクリートの三面張りへと変わりました。森は人の手が入らずに荒果て、 子どもの頃に見た里山の風景との違いに寂しさを感じるようになりました。
 私は、自分が子どもの頃に得た感動を今の子どもたちにも味わってもらいたいという思いから、 十数年前から里山保全のNPO団体に参加するようになりました。里山ブームだった当時、 滋賀県内には多くの団体が活動しており、私は自分の子どもと一緒に様々な活動に参加しました。 その中で多くの方と出会うことができ、お互いに情報交換や相談をするようになりました。
 そして自分も何か活動を始めたいと考えていた時に、「三浦さんが何かするなら手伝うよ!」と、 顔なじみになった方々が声をかけてくださいました。その方々の協力を得て、 2003年に比良里山クラブを立ち上げることができました。

地道な活動を通じて、多くの方が仲間に
「天籟宮」の入口
▲「キッズクラブ」では、環境学習や自然体験など盛りだくさんの活動を展開

 比良里山クラブは比良山系の堂満岳の麓、大津市南比良法寺にある雑木林「まほろばの里」を拠点に活動しています。 ここは元々私の父の所有地で、気軽に人々が集える場所として父が名付けました。「まほろばの里」には広場や畑、農園を整備し、 石窯や薪小屋もあります。地域の子どもたちが参加する環境学習、里山をテーマにした座談会、貸し農園から募金事業まで、 私たちの活動は様々です。
 これまで、里山の保全や活性化に繋がることであれば、とにかく何でもやってみようとチャレンジしてきました。 そうした地道な活動を続けてきた結果、今では同じ思いを持つ多くのメンバーに支えられて、当クラブは活動することができています。
 当クラブのメンバーは、ほとんどがボランティアです。同じ思いを持つ方であれば、 誰でも気軽に参加してもらうことをモットーにしており、クラブには子どもから80歳のおばあちゃんまで、 幅広い年齢層の方が所属しています。



比良の魅力の一つ『シシ垣』の保全

 活動の中で力を入れていることの一つに、『シシ垣』の保全があります。比良の里山には『シシ垣』と呼ばれる、 獣害対策として江戸末期に築かれた石垣が残っています。元は高さ2m程あり、それが何qも続いていました。 この里山に残っているものでも1qほどあります。私はこの『シシ垣』は里山の文化財と言ってもいいくらい素晴らしいものだと思っています。 しかし、現在は崩れてしまい『シシ垣』としての機能をしていない場所がほとんどです。 私たちはその『シシ垣』の保全と復元にも取り組んでいます。
 子どもたちにこの素晴らしい『シシ垣』や里山のことをもっと知ってもらいたいという思いから、 私の母校でもある大津市立志賀中学校に提案し、3年前から環境学習を受け入れるようになりました。 一年生を対象に毎年秋に実施しており、昨年は里山、里地、里湖の3つのエリアに分かれてフィールドワークを行いました。 薪を割ったり、内湖のヨシを刈ったりと、山・里・湖の近いこの地の特性を活かした活動をしています。 実施にあたっては地元の方々にも協力いただいており、子どもたちと地域の方々が触れ合えるよい機会にもなっています。



地域の特産品を開発し、多くの人が里山を知るきっかけに

 当クラブの活動の一つに、赤シソの栽培があります。これは、農地の獣害問題に取り組む中で、 獣害に遭いにくいものを栽培しようという発想から生まれた事業です。この赤シソを使って、 赤シソジュース『Hira Perilla(ヒラペリラ)』を作っています。3年かけて独自のレシピを開発し、 2009年から販売した『ヒラペリラ』は、発売後すぐに完売するほどの人気商品となりました。
 この地の特産品にしたいという想いから「比良」という地名を名前に入れました。 お陰様で『ヒラペリラ』を通じて当団体を知ってもらえたり、興味を持ってもらえることができています。
 2011年には「2011年度近畿農政局・6次産業化に係る優良取組事業の局長賞」を受賞することができました。 このヒラペリラ事業の収益金は、里山保全活動や、自然体験教室の運営費に当てています。 この『ヒラペリラ』を通じて多くの人に里山での活動を知ってもらえるよう、今後も地域ブランドとしての定着を目指して取り組んでいきます。



これからも人との繋がりを大切にし、活動を続けていきたい
三浦 美香さん

 様々な人との繋がりがあってこそ、この比良里山クラブを立ち上げることができ、ここまで活動を続けてくることができました。 私は現在、週の半分はこの里山に来て活動し、残りは事務所でのデスクワークや『ヒラペリラ』の営業活動をしています。 最初の数年は、赤シソの収穫期になると毎日里山に足を運ばなければいけませんでしたが、 今ではメンバーの皆さんに安心してお任せしています。皆さんが積極的に参加してくれることにいつも感謝しています。
 私は常に「今日のゲストは明日のパートナー」だと考えています。『ヒラペリラ』や様々な活動がきっかけで、 少しでも多くの方がこのまほろばの里を訪れ、いきいきと豊かな気持ちで過ごしてもらえると嬉しいです。 これからも、この里山を訪れてくれた皆さんや地元の方々との繋がりを大切にし、様々な活動を続けていきたいです。


(2013年8月取材)
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