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琵琶湖発人間探訪

青木 繁さん
青木 繁さん
滋賀県立 朽木いきものふれあいの里
館長 青木 繁さんを訪ねて

今回は「滋賀県立 朽木いきものふれあいの里」の館長として、 また「巨木と水源の郷をまもる会」の代表として活躍される青木繁さんを訪ね、自然に対する想いについて伺いました。

朽木いきものふれあいの里
住所 :滋賀県高島市朽木柏341-3
電話 :0740-38-3110
FAX :0740-38-3212
ホームページ http://www.greenwalker.com/
開館時間 :9:00-17:00
休館日 :月曜日、火曜日
※月曜、火曜が祝日の場合は翌日が休館

「自然に関わる仕事がしたい」教師を辞めて会社を設立
センターには鹿や狸、猪などの剥製が展示されています
▲センターには鹿や狸、猪などの剥製が展示されています

大学時代、植物と触れ合うことが好きだった私は、野山を歩き、滋賀県の自然を調べることを自分のライフワークとしていました。 私にとって山で過ごす時間は都会の喧騒から離れ、何もかもを忘れられる至福の時でした。 ただ当時は自然と接することが仕事になるとは考えたこともなく、大学卒業後は小学校の教員として教壇に立ちました。
そんな折、平成4年に県立「朽木いきものふれあいの里」が建設され、職員としてこの施設に勤務することになりました。 私は6年間、この施設の主任指導員を務め、子供たちに自然の豊かさや自然観察の面白さを伝えることに取り組みました。
その後一旦は教育現場へ戻りましたが、「もっと自然と関わりたい」「自分の好きな自然に関わる仕事をしたい」という思いを強く抱き続 け、平成13年に教員を辞め、「有限会社グリーンウォーカークラブ・ネイチャーガイド研究所」を立ち上げました。 当初は環境コンサルタントを中心に、登山ルートの開発、植物ガイドの指導などに取り組んでいましたが、 平成20年からは滋賀県から指定管理の委託を受けて「朽木いきものふれあいの里」の館長として運営を任されることになりました。

「朽木いきものふれあいの里」での活動
自然の中に入り植物観察会などをされます
▲自然の中に入り植物観察会などをされます

「朽木いきものふれあいの里」は滋賀県が運営する自然体験施設です。比良山系の北端、高島市の蛇谷ヶ峰の麓に位置します。 子供たちへの自然教育の場として、植物観察会や自然の素材を使った工作など、 一年を通して季節に合った様々なイベントを開催しています。 イベントでは子供たちに朽木の自然をありのまま感じてもらうことを大切にしています。 そのため、例えば一部の生物を取り上げて紹介するようなことはせず、 実際に森の中を歩きながら生物や植物の観察をするなどの活動に注力しています。

活動を通じて見えてきた自然の危機
朽木の渓谷を流れる安曇川に住む魚たち
▲朽木の渓谷を流れる安曇川に住む魚たち

私は数年間この地域の自然を見つめてきましたが、様々な面から自然の劣化を感じています。 例えば、森の観察会においては以前は解説するのが困るほどの種類の生物がいましたが、現在はその個体数が激減しています。 また、安曇川源流で重要な役割を果たすトチノキの伐採も深刻化しています。トチノキは安曇川の涵養林として、 琵琶湖水系の人々の暮らしと下流域の河川に生息する生態系を支える重要な役割があります。 しかしここ数年、内装やインテリアなど自然志向の資材としての需要が高まり、業者によるトチノキなどの巨木の伐採が盛んになりました。
さらに山林所有者の山離れ、過疎化、少子高齢化が進んでいます。山を手放す人が増え、ますますトチノキの減少は加速しています。 一見すると朽木には豊かな自然が残っているように見えますが、実際にはその環境は少しずつ崩壊しています。 私はその実態をもっと多くの方に知って欲しいと思うようになりました。



「巨木と水源の郷を守る会」の立ち上げ
青木 繁さん

危機感をつのらせた私は、自らが代表となり、平成22年に「巨木と水源の郷を守る会」を発足しました。 「トチノキの保全が自然の保全に加え、地域の保全、人々を守ることにもつながる」という考えの下、 「自然保護活動にとどまることなく、トチノキの巨木の森の価値や機能を高め、 山村地域の活性化につなげる」ことを目的として、トチノキの調査を中心に様々な活動を行っています。
発足当初は地元住民との意見交換会の場を設け、トチノキの重要性と保全の必要性を訴えかけてきました。 朽木のトチノキには全て所有者がいるため、地域の協力がないと活動ができないと考えたからです。 しかし山への関心が薄れている中では、所有者の方に「自然がその地域の財産である」 と理解してもらうことすら困難な状況でした。しかし、意見交換やトチノキの調査報告を重ねるにつれて、 その重要性を認識してもらえるようになりました。
一方、トチノキの調査においても様々な実態がわかってきました。調査では、これまでに約400本のトチノキを確認することができました。 これだけの巨木が残る地域は全国的に珍しいとされています。中には幹周りが8m、高さが29m、 樹齢500年以上とされる巨木を確認することができました。この巨木は確認されている中では近畿で4番目に大きいとされ、 地域のニュースとして新聞などで大きく取り上げられました。 多くの人に朽木にあるトチノキの巨木の存在を知ってもらうきっかけになりました。



今後の展望
青木 繁さん

朽木にはまだ確認できていないトチノキの巨木がたくさん存在していると考えています。 今後も調査を続け、地域の財産であるトチノキの巨木の実態を明らかにしたいと考えています。 さらに、皆さんにトチノキの巨木の森に触れ、その素晴らしさ、自然のありがたさを感じてもらいたいと思います。 現在、巨木までの歩道の整備や案内板の設置などに取り組み始めています。生態系を守るだけでなく、 観光資源としても朽木という地域に魅力と価値を与えてくれるこのトチノキの森を、この地域の宝として、 後々の世代まで残せるように今後も活動を続けていきます。

(2012年8月取材)
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