AYAHA GROUP 企業生活を通じて、社会とともに歩む。
Google
企業メッセージ綾羽株式会社グループ会社環境・社会貢献活動採用情報お問い合わせサイトマップホーム
企業メッセージ 「一人ひとりの生活感覚を大切にした活動で、社会とともに歩む」

琵琶湖発人間探訪目次へ
小林俊雄さん 服部純一さん 服部善造さん

服部善造さん、小林俊雄さん、服部純一郎さん
畑シダレ桜保存会
小林俊雄さん 服部純一さん 服部善造さんを訪ねて
今回は甲賀市信楽町畑を訪れ、樹齢400年になるシダレ桜を守っておられる『畑シダレ桜保存会』を代表して小林俊雄さん、服部純一郎さん、服部善造さんの3名にその思いを伺ってきました。

美しい姿を再び観たかった

 保存会を発足する前のシダレ桜は、竹やぶの中にひっそりと在る状態でそれは今にも朽ちそうな老木でした。地域の住民たちもシダレ桜の存在は知っていましたが、管理する者もおらず、ほったらかしの状態でした。かつて見ていた美しい姿をもう一度見たい、そう思う住民も少なくは無かったのですが、思うだけで行動には至りませんでした。しかし、1988年に当時の竹下内閣が行った政策の「ふるさと創生事業」をきっかけに、保存会を発足することになりました。保存会発足により、区民の“再びあの姿を”という思いは一層高まり、一丸となって桜の蘇生と地域の活性化に向けた活動に取り組みました。その結果、桜の周辺は綺麗に整備され、桜も発足前に比べ、大きく立派に蘇生することができました。

photo photo photo
  修復、整備活動 (左)修復前 (右)修復後
共通の認識で一体感を
photo
平成7年に統一したシダレ桜の説明

 シダレ桜が何故そこに在るのか。それを示す文献はどこにも残っておらず、言い伝えは諸説残っているのですが、どれもバラバラでした。このままではそれぞれが異なる内容を桜の見物客に説明してしまうということで、地域住民の共通認識として平成7年に統一した説明文を作った結果、誰が聞かれても同じ説明ができるようになりました。そして、出来上がった文章を説明板として桜の横に掲げることで、桜を観に来られた方々に分かりやすく見ていただけるようにしています。

神秘的な桜として
photo

 シダレ桜のシーズンは大体4月の初旬から 10日間ぐらいが一番の見頃で、平均して15、000人ぐらいの観光客が訪れます。昼間は暖かな陽気のなかで散歩をしながらの観賞、夜はライトアップをしての観賞ができるようにしています。特に夜のライトアップは、周りに他の灯りがないので闇夜にシダレ桜が浮き上がる姿は幻想的で一段と綺麗に見ていただくことができます。
 ライトアップは桜に負担がかかってしまうという専門家の意見もあり、止めるかどうかの議論も起きました。しかし、せっかく元気に頑張っているのだからこそ一番美しい姿をみなさんに見せてあげようという意見から、時間の短縮はしたものの、シーズン中はライトアップするようにしています。
 また畑は他の桜の観光名所と違う点があります。一般的な露店などを出して食べ物を売ったり、酒盛りをして桜を楽しむようなことはしていません。シダレ桜をもっと神秘的なものとして捉えて桜が好きな方々に目で楽しんでもらおうと考えています。
しかし、折角来られた方に何も出せないのも失礼なので、地元の特産品販売を婦人会の方々と協力して行っています。桜周辺では飲食禁止としていますが、観光客の方々はきちんと守ってくださり大変ありがたいと感じています。

区民全員が感謝の気持ちで

 桜の管理は年間を通して区民全員で取り組んでいます。シーズン中の昼間は区民2人が順番で見に来られた観光客に説明をしたり、交通整備を行います。また、夜は地元の消防団が巡回するなど、区民のみんなでこのシダレ桜を見守っています。またシーズンオフは清掃や管理を区民が奉仕で やっており、専門的な部分は業者に委託してやってもらっています。しかしながら年間を通して維持するのは非常に大変で、財源確保も難しいのが現状です。シーズン中に設置した寄進箱に寄せられた観光客の皆様からの寄付や、区の経費などで補って維持しています。
 また、シダレ桜の開花シーズン中は芳名録があり、来られた観光客の方々に色々な意見や感想をいただいています。それらを励みに区民みんなが枯れさせてはいけないという思いになり、保存及び延命に一生懸命がんばっています。今後は芳名録に記名いただいた方に開花案内の葉書を送るなど、激励に対するお返しをしていきたいと考えています。
 しかし、このシダレ桜の大木も樹齢400年という老木であり、いずれは枯れてしまうのではという不安がありました。そこで、平成18年にクローン苗木の増殖を試み、見事13本のクローン苗木を2世として増殖することに成功しました。現在2世たちは先代の横で大切に育てています。

photo photo
オンシーズンには15,000人もの
お客様で賑わいます
13本の苗木が2世として
現在大事に育てておられます
貫き続けたい思い

 保存会発足当初から、「観に来られた方々に喜んでもらえるように区民みんながベストを尽くして守っていく」という信念は変わっておりません。お金儲けをする為にみんなががんばって守っているのではなく、地域の活性化を支えるものとして守っていく姿勢で今後も活動していきます。ま た初心を忘れずにみんなこのシダレ桜を家族のように思って見守っていきたいと考えています。色々な苦労はありますが、区民の誰一人止めようと言い出すことなく、信念を貫いてこられたことを誇りに思うと同時に、区民の思いを一つにしてくれた畑のシダレ桜に深く感謝をしています。そんな代々継がれている信念をぶれることなく継承していきたいと考えています。

photo photo photo
初代会長 小林俊雄さん 区長 服部善造さん 二代目会長 服部純一郎さん
(2009年3月取材)
ページのトップへ
琵琶湖発人間探訪目次へ
プライバシー・ポリシー | ご利用条件
Copyright(C) 2003 AYAHA Corporation. All Rights Reserved.