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恩庄基貴さん
「森林発電プロジェクト」事務局 恩庄基貴さんを訪ねて
多賀町の「高取山ふれあい公園」で木質バイオマスを利用した「森林発電プロジェクト」が実施されています。今回は、循環型社会への転換を図っていくために、資源循環のミニモデルを市民が中心になって実現することを目標としている「森林発電プロジェクト」事務局の恩庄基貴さんを訪ねました。
恩庄 基貴(おんじょう もとき)
「森林発電プロジェクト」問い合わせ先
湖東地域振興局環境農政部森林整備課
滋賀県彦根市元町4 -1
TEL:0749- 27- 2217
高取山ふれあい公園
全面積86ヘクタールのある広大な敷地内にキャンプ場、バーベキュー施設、アスレッチク、バンガローなどがあり大自然とふれあえる公園です。
滋賀県犬上郡多賀町藤瀬1090
TEL:0749- 49- 0635 FAX:0749- 49-0637
http://www.tagatown.jp/takatori/

森林発電プロジェクトができたきっかけやねらいを教えて下さい。
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平成12年度に湖東地域振興局が中心となり「循環モデル・湖東地域森林資源活用事業」として、森林発電プロジェクトが始まりました。このプロジェクトは地元、多賀町の大滝山林組合の協力を得て、多賀町の森林体験施設「高取山ふれあい公園」を活動の場としています。

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この活動には3つの基本方針があります。一つは「みんなで手作り」ということで、市民が中心となり、木質バイオマスを利用して資源循環のミニモデルを手作りで作り上げること。二つ目は「循環型社会への実践」で、木質バイオマスを使用することにより資源の循環と有効活用について考え、化石資源への依存、廃棄物処理問題などを見つめなおすこと。そして最後に「自然と人との賢明なつきあい方」について考えるということです。この考え方に賛同し、150人を超える方が集まり活動を開始することになりました。
木質バイオマスを利用した資源循環とはどういったことですか。
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バイオマスの定義は難しいですが、生物体と考えれば分かりやすいのではないでしょうか。ですから木質バイオマスとは枝葉を含めた木と考えてもらえばよいでしょう。

現在のエネルギーの代表といえば石油などの化石燃料になります。しかし、石油を燃やせば二酸化炭素が発生し、地球の温暖化を助長することになります。そこで地球上の二酸化炭素の絶対量を増やさないエネルギーとして、木材を利用することになりました。

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樹木は地球上の二酸化炭素を吸収し有機物の形で固定しています。もちろん木材を燃やしても二酸化炭素は発生しますが、その発生した二酸化炭素は、新たに植栽された樹木に吸収・固定されるので単純に計算すれば、木材を燃やしてエネルギーを発生させても、二酸化炭素の絶対量は増えないことになります。

だからといって、むやみに木材を燃やして、エネルギーを得ることを目的としているのではなく、間伐材等を有効利用してエネルギーを得ようと考えています。そして、植林・保育・間伐という循環を作り出し、その中から地球に優しいエネルギーを発生させようというものです。
では、具体的にどのような活動によりエネルギーを発生させ活用しているのですか。
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まず最初に取り組んだことは間伐材を利用しての炭づくりです。もともと多賀町は大滝炭と呼ばれる良質の炭の産地でした。炭を作るために、地元の大滝山林組合の協力を得て炭窯を作ることにしました。耐火煉瓦を使用して、約200kgの炭ができる炭窯を作りました。

私たちが取り組んだ炭づくりは、針葉樹の間伐材を材料としたものです。針葉樹で作られる炭は一般的に、火力が弱く、火持ちが悪いとされています。しかし、火付きが良くバーベキューなどにはよいのではないでしょうか。市場に流通している炭は広葉樹から作られていますが、バーベキューの際には針葉樹から作られた炭でも十分楽しむことが出来ます。

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そして次に手作りの炭窯で作った炭を利用してエネルギーを発生させることにしました。まず炭を燃焼させ、二酸化炭素を発生させます。そして二酸化炭素を1000度くらいの高温にさらすことにより、一酸化炭素を作り出します。一酸化炭素は可燃性なので、圧力をかけ、点火プラグなどを使用すると爆発を起こします。その爆発を利用してエンジンを動かし、電気エネルギーを発生させるのです。この発電機も参加者の方の手作りです。お金をかければ見た目も、能力も素晴らしい発電機が出来るのですが、市民の方が手作りの発電機を作ることに、このプロジェクトの意味があります。

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そして、手作り発電で作られたエネルギーを利用することにも活動の重点を置いています。エネルギー実用の例として、木質ガスによって動く自動車を作りました。完成した自動車は1kgの木炭で約5〜10km走行が可能です。また最高速度も時速60kmは出るはずです。ただ速度実験では、アクセルを目一杯、踏み込めなかった結果、時速52kmの証明にとどまっています。

この自動車についても、製作することが一番の目的ではなく、木質ガスにより動いていることを多くの人に知ってもらい、少しでも循環型社会について考えていただくきっかけになればと考えています。 
今後の夢、目標についてお聞かせ下さい。
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私はこの森林発電プロジェクトの事務局を担当しています。このプロジェクトの当初の目的は市民と行政が一緒に取り組むことにありました。

しかし、最近は行政の手から、市民の方々だけで木質ガスの有効利用方法を見つけようという動きが出てきました。そして「おうみ木質バイオマス利用研究会」という会が設立され、今まさに動き出そうとしています。

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私はこのおうみ木質バイオマス利用研究会のバックアップはもちろん、一緒に知恵をしぼり活動していきたいと考えています。そして、将来的には高取山ふれあい公園の電気を全てまかなえる電力の発電を目指していきたいと考えています。

循環型社会のミニモデルを作るという活動は世界中の環境保全からすれば、本当にささやかなことかもしれません。しかし、多くの人々に環境保全に興味を持っていただけるきっかけになればとの思いから、今後も活動を続けていきたいと考えています。
(2003年5月取材)
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